


ということで、とらドラ!22話「進むべき道」見ました。先にあらすじだけ簡単にいきますね!!
進路調査で呼び出された二人。独身(三十路)に聞かれるも竜児はまだ決まっていないと言い、
大河は「金持ちだから何もする気は無い」と完全勝ち組ニート発言。
職員室で出くわした亜美はというと、高須を見れば「キモい、帰れ」と口を開くばかり。
学校を辞めるかもしれないとか、わたしがいなければって話を聞いてたら着信に気付き・・・
母の泰子が過労で倒れてしまった。
竜児は自分の責任だと思いつめるが、大河がなんとかなだめる。
泰子の代わりにバイトをする二人、春田の彼女に関してはスピンオフ2巻ですね!
あれはね、なかなか面白かった(*^-^)♪
能登は別にいい。
亜美は竜児のことが好きだったのかな、でもそんな態度は本人には全然出してないし・・・
ツンデレなんですね。



バレンタインデーということで、助けてくれたみんなにチョコを作ってきた大河。
最後に北村に渡す際に「助けてくれてありがとう!」って言ってしまったから実乃梨の心に疑念が・・・
北村には根回しをしてあったけど、実乃梨にはしてないことに気付いた。
そして実乃梨は竜児を糾弾、大河を問い詰める。そして大河は逃げ出した・・・
「追う気がある人が追わなきゃ。」と亜美が言う。

で、次回「告白」ですね。残り2話!かなり楽しみですね!!
↓ こっから原作厨な記事ネタバレは無いはず!
まぁ今から
とらドラ! 16話 「踏みだす一歩」 レビュー←こんなのや
とらドラ! 19話 「聖夜祭」 レビュー←こんな記事を書いてしまうと、明日5時に起きれないので
出来るだけ上手くまとめたいとおもいます!!
長いので色付きのところだけでも0kっすw面白そうだって思ったら原作を読んでみてください♪
んで、20話の最後で大河を助けた竜児ですが、助けれた原因となったヘアピン。
それがなんなのかアニメを見てれば分かると思いますが、あれには助けた後に続きがあって・・・
~↓↓原作文↓↓~
「よかったじゃん高っちゃん!タイガ~無事でさ~!」
「・・・・・・ああ、おお・・・・・・」
隣の席から春田がかけてくれた言葉に、中途半端な笑顔で答えた。その春田の視線が、
竜児の胸ポケットで止まる。
「あれ?そのヘアピン、結局高っちゃんのとこに戻ってきたんだ?」
雪の中から拾ったそいつを無意識に胸に差したまま、、そういえば忘れていた。耳元に顔を寄せ、
春田はアホなりの小声で囁きかけてくる。
「ていうかさ~、それってぶっちゃけ、
クリスマスプレゼント・・・・・・例の、あの人に、渡そうとしてたんじゃない?
それ捨てようとしてたとき、ツリーの絵の包装紙も捨ててたじゃん。
実はちらっと見えてたけど、やっと意味わかっちゃった・・・・・・」
「・・・・・・まあな」
竜児の頭の中は、しかしいまだ嵐のただ中。
肩を竦めて肯定しながら、周囲の状況なんて全然見えてはいなかった。
考える事が多すぎたのだ。だから、気がつきやしなかった。
ちょっと離れて座っていた
『例の、あの人』は全身をレーダーみたいにして、騒々しいざわめきの中で
竜児の言葉だけを拾い、聞こうとしていたのだった。
そして、聞こえてしまった二人の会話を、すぐに正しく理解していた。
自分が意識的に、そして、本当に無意識にしていたこと、
そのすべてが、どれだけ効果的であったかも理解した。
騒々しくざわめく食堂から、音もなく立ち上がって誰にも見られず、とうとう逃げ出した。
凍える廊下を小走りに、無人のラウンジにたどり着く。昨日の夜に竜児が座っていたソファに倒れ込む。
膝を抱え、顔を埋め、その手の中に涙を流す。悲しい理由はわからない、ただ今のところただ一つ、
己の手は、女の子そのものの小さな薄い手の平は、全然好きじゃない。
こんなふうに涙にくれる顔を隠すぐらいのことしか出来ない己の手など、大嫌いだった。
実乃梨はただ一人、顔を両手で覆い隠し、声も出さずに体を小さく小さく丸めて、しばらく泣き続けた。
~↑↑原作文↑↑~
まぁそんなエピソードがあったわけなんですよねぇ、個人的に好きなシーンだったから
20話~21話で端折られてしまったのはけっこうなショックでしたよヽ(´ー`)ノ
んでこれは前座で、これの流れから21話で端折られた話もあったんです。
それが大河の帰ってきた翌日の昼休み、独身(三十路)に進路の事で呼び出された帰りの事。
・・・長いです。
~↓↓原作文↓↓~
教室へ戻るはずだった足は、人気のない渡り廊下へ向かっていた。一緒に弁当を食べているだろう
北村と大河の前に戻るには、まだ、もうちょっと休息が必要だった。二人ともいるならば、またウソを重ねなくてはいけないかもしれない。
体育館へ続く渡り廊下の真ん中で、竜児は息もできない心地、自然と外気を求めて締め切られていた
窓を開く。肺が痛くなるほどに冷え切った酸素を胸いっぱいに吸い込み、鯉のように口をぱくぱくさせる。
息を吸っても吸っても苦しくて、窓の外に顔を突き出しているのに閉じ込められているような気分だった。
あの吹雪の場面から、今日もまだ這い出す事が出来ない。
大河の告白は、忘れてしまおうと決めたはずだった。大河には告白する意思はなかったのだから、
自分が忘れる事ですべては元通りになると思ったから。
でも、忘れてしまおうと決めたって、本当に忘れることはまだできない。
上手に忘れた素振りをするのにも、もうちょっと時間が必要だ。
そして自分だけがそんなふうに「なかったはずのもの」に囚われている間にも、時は進んでしまう。
みんなは前へ進むのに、自分だけが足踏みしているのがわかる。進路のことだってそうだ。
あらゆることで、こうやって置き去りにされていく気がしていた。
こんなことでは、多分ダメなのだ。自分でもわかっている。あらゆる問題に対して場当たり的に
綻びを繕うばかりで、能動的なことは何一つしていない。正しい方を選びたいとは思う。
でもなにが正しいのかもわからない。
本当に、担任の言うとおり、頭のネジが緩んでしまったのかもしれないと思った。なにしろ己は
あの高須泰子ちゃんの息子なのだ。ネジやバネをそこらにぽろぽろ落としてしまっていても
気づかなかったのかも。
「俺は・・・・・・もしかして、ものすごく、ダメ人間か・・・・・・?」
しっかりものだと自分の事を思っていたのだが――美化されていた自己像が崩れ落ちる。
あとにはなにが残るという。本当の自分、ってどんなのだ一体。
「・・・・・・ああ~・・・・・・」
独り言の危ない魔少年が一人、窓枠にしがみついて呻いているばかりであった。しかしサッシの溝が
目に入る。埃と小さな枯葉がみっしりと詰まっていて、こんなところに顔を押し付けていたらジンマシンが
出そうな気がしてくる。ポケットからティッシュを取り出し、何気なく人差し指に巻いて、
「ああ~・・・・・・はあ~」つつ~、と姑のごとく溝をなぞる。なんて暗い奴・・・・・自覚はあるのだ。
そしてこんな自分と正反対の人物像が、くっきりと脳裏に浮かんでくる。櫛枝実乃梨だ。
出会ったばかりの頃から、明るい奴だと思っていた。ヤンキー疑惑のあった自分にも屈託のない笑顔を
向けてくれて、竜児には、それがコンプレックスだらけだった自分に比して、実乃梨はいつも正々堂々、
太陽を見上げていた。その姿がまるで、まっすぐに咲く黄金のひまわりみたいだと、いつも思ってい。
だから憧れたし、恋もした。
そして今、改めて思い知るのは、実乃梨のタフさ。明るい、優しい、かわいいばかりではない、
頑ななほどに己の道を突き進む意志の強さ。時には周囲の奴(たとえば俺だ!)を傷つけてでも、
実乃梨は自分を曲げなかったし、立ち止まりもしなかった。・・・・・・ように、竜児には見えた。
太陽に向かって生き生きと花弁を開いていたのは、お天道様を見上げて咲く健気なひまわりの花
・・・・・・なんかではなくて、太陽を撃ち落そうと狙いを定めた、鋼鉄のミサイル発射装置だったのだ。
実乃梨への片思いを自ら断ち切ったのは、そういう姿を間近で眺めて「ついていけない」と
――悪い意味ではなくて、本当に自分なんかでは彼女のタフさにも、人生を歩むスピードにも、
ついていけないと思ったから、だったのかもしれない。だが、恋心の炎は吹き消されても、
もう「いつか」なんて希望は抱けなくても、
「・・・・・・櫛枝、おまえには・・・・・・」
あんなふうになれたら、という思いは日々募る。
結局、理想であり、憧れなのだ。ああいうふうに生きられたらと思う心は変わらない。
「・・・・・・俺のことなんか、カスみたいに見えてるんだろうな・・・・・・」
「そんなことネーヨ」
「えええっ!?」
驚きのあまり、振り向く速度に身体がついていかなかった。きゅきゅ~!と上履きをアホみたいに鳴らし、
そのまま竜児は床に尻餅をつく。
「・・・・・・ど、どこから聞いてた!?」
「『櫛枝、お前はうんこたれ蔵、俺のことはカスケードだと思ってるんだろうな・・・・・・』ってところは
聞かせてもらった」
真剣なツラで眉間にかすかな皺を寄せ、勝気な瞳を黒々と光らせ、
「だから、そんなことはありませんよ、って。我々は馬ではない」
一体いつからここにいたのか。実乃梨は竜児を見下ろす姿勢でそうきっぱりと断言し、力強く頷いて
みせてくれる、が
「どういう耳してるんだよ・・・・・・!」
思わずそのまま腰も砕ける。もはや「ときめき(はぁと」なんてのんきな言葉ではもう表現できなくてとも、
心臓はどうしようもなく今日もざわめく。どうしてこんなタイミングで、よりにもよって実乃梨が現れて
しまうのだ。しかもなにを寝言を言っている。馬だのうんこだのなんの話かわからない上、
「そうは言いつつマスタングスペシャルなーのねー!んあーー!」
「落ち着け!(おまえは)危ない!落ち着くんだ!」
だだーっ!と意味不明に駆け出そうとする実乃梨の正面に躍り出て、思わず両手を広げていた。
正しく暴れ馬の前に飛び出した状況、しかし校内であんな走り方をしたら確実に事故が起きるだろう。
「えー?なぜ。止めるのよ、普通に教室に帰ろうとしただけなのに」
「建物内であんな走り方をする奴はいねえんだよ!絶対普通じゃねえ!」
思わずポロリと出た本音に「言いよった~」・・・・・・実乃梨は甲高く吟じながらその場でぐりぐり方向転換、
腕を振ってロボットダンス。竜児はちょっと言葉を見失う。最近は忘れがちであったが、そうだった、
この人はこういう人だった・・・・・・。
「なーにもーどうしたの高須くん。ほら口からエクトプラズマなんか出してないで、ユーも教室も戻ろうぜ。
そもそもこんな辺境の地でなにしてたのさ?」
「・・・・・・おまえこそ、こんなとこでなにしてんだよ。・・・・・・もしかして俺をストーキングしているのか?」
それはおどけに徹する実乃梨に少しは合わせようかと、竜児精一杯の冗談だったのだが、
「なに言ってんの」
こんなときばかり不意に正気、実乃梨は呆れたみたいに竜児を見返す。
「私は体育教官室にミーティングルームの鍵を返しにいってたところ。その帰り道。高須くんがここに
いる方がナゾだって」
「俺は、」
~↑↑原作文↑↑~
長すぎるから今更カット、こういうの全部入れてたら3クールでも終わらないって話ですよね・・・
話は大河を助けたにいったときの話に流れていきます。
~↓↓原作文↓↓~
「高須くんはよく大河が落ちているところがわかったね」
「それは――」
キラリ、あのとき光って、大河のもとに自分を導いてくれたのは。
「――ヘアピンが雪の中に落ちているのが先に見えたんだよ」
実乃梨が、窓の外から覗き込むように首を伸ばしてきた。目と目が合って、竜児は思わずそっぽを
眺める。だけど実乃梨が視線を外してくれることはなくて、
「あのヘアピンは、大河から私へのプレゼントじゃなかったんだよね。高須くんが、私にくれようとして、
渡せなくて、大河から私のところにきた。そうだよね。予想によると・・・・・・イヴに会った時、プレゼント
してくれようとしてたのかな」
唐突にど真ん中。
竜児が声を失くすのも前もってわかってたみたいに、うんうん、と実乃梨は頷いて、その無言の間隙を
埋める。正確には、イヴには持参できなかったからその予想はハズレだ。でもそう言うことはもちろん
できなかった。竜児はただ、実乃梨の顔を見返すだけだった。
やっぱり――なんだってわかっているんじゃないか。そんな感慨とともに。
「どうして・・・・・・それを」
「とある筋からの情報提供もあったのだ。ていうか、ごめん。最初は本当にわかってなかったのよ。
本当に大河からのプレゼントだと思ってたの」
なにがごめんなのか、竜児にはしばらく理解できなかった。実乃梨はしかしあくまでも真剣、
太陽をも撃ち落せるまっすぐな視線を、竜児の目から外してくれない。
「あ・・・・・・あのピンを、しばらくつけていたことを、もしかして、謝ってるのか?」
「そうだよ」
私は記憶喪失。クリスマスイヴのことなんか覚えてないの。だから高須くんも以前と変わらず
お付き合いしてよね。・・・・・・これまでずっとそんな態度を貫いて、竜児を傷つけ続けた実乃梨が
初めてイヴの夜の話をしていた。あの夜に、竜児の気持ちに向き合っていてくれていた。
「受け取らないって決めたのに、それで傷つけたのに、
あれを高須くんの前でつけてたことを謝りたかった。
ごめん。本当に」
「そんなこと・・・・・・」
竜児を傷つけたことを――あの夜に告白をさせてはくれなかったこと、でも竜児の気持ちは
理解していたこと、その上で拒んだこと、そしてそれを今も忘れていないことを認めてくれたのだった。
「・・・・・・急に、それを謝りたくなったのは、・・・・・・大河が学校に戻ってきたからか?」
竜児の言葉に、実乃梨はなにも答えなかった。ただ瞳だけを光らせて、真冬の空の下、髪を風に
散らされるのに任せていた。
実乃梨も同じだったのだろうか、と不意に竜児は思った。全力で前進しているようにしか見えなかった
実乃梨もまた、竜児と同じに、足踏みしているような感覚を味わっていたのだろうか。もしかしたら、
あのイヴの夜からずっと。
そして大河が元気に戻ってきたことで、ケリをつけようと。
竜児を振ったことを認めて、傷つけたことを謝罪して、全部わかってたことを言外に告げ――それが
実乃梨の「前進」なのか。
「あのヘアピン、今はどこにあるの?」
何気なく実乃梨が問うのに、何気なく返そうと思った。
「俺の部屋にある。使うか?」
「ううん。使わない。私はあれを、もらわない」
そう言うと思った。
――と言って、笑ってみせたかった。
ケリをつけた実乃梨に、俺だってケリをつけたんだ、と言いたかった。しかし、
「俺は・・・・・・」
息が漏れる。
「・・・・・・お前が、羨ましい」
偉大なるステップは、いまだ踏み出せない。実乃梨のように前進したかった。だけどまだできない、
そんなに上手には歩けない。吹雪の中から這い出せない。
あの声を本当に忘れることができない限り、竜児はまだ、前へは進めない。
「どしたの。なに、いきなり」
「色々な事に囚われて・・・・・・俺は、置いてけぼりだ。忘れたいことがあって、でも、忘れられない。
それで・・・・・・」
擦った目蓋の裏には、今もあの吹雪が。舞い狂う氷の切片と、その中で弱弱しく閉じられていた目蓋、
睫毛の下から零れた涙が。そして、
「・・・・・・くるしくてたまんねえ」
耳元に響いた声が。
一人で生きる、想いは永遠に封じる、そう決めた底なしの孤独の中で、大河がもらしたただ一度の
本音だったのだと思う。残響は胸の奥に、頭の芯に、今も鳴り止む事はないのだ。。
「忘れたいのに忘れられないのはね、」
ぽくっ、と実乃梨の拳が、ちょっと荒っぽく伏せた竜児のツラの頬を真横からつつく。
「忘れたい、って思ってる時点で、すでに忘れられないことなんだから当たり前なんだよ。
忘れてしまえるようなことだったら、人間そもそも覚えてねえ、っつーね、
忘れられないから忘れたいんだよ。それを苦しんだってしょうがないって思う」
「・・・・・・でも。忘れないと、いけねえんだ。
・・・・・・忘れて欲しいって、思われてる」
実乃梨の指を押し返すみたいに、顔を向けた。実乃梨は「なにが」とも「誰が」とも尋ねず、
ただ竜児が一人語りに語るのを聞いていてくれた。
「だから、忘れたいんだ」
語った言葉は、完全に正確とは言いがたいかもしれない。大河は「忘れて欲しい」と思っているわけでは
ないのだ。最初から「伝える気がない」のだ。想いを告げることもなく、永遠に封じ込めて、それでいいと
思っているのだ。
だから――だから。だから、忘れようと――
「・・・・・・俺はおまえが羨ましいと思うのは、前向きだからだ。ちゃんと前進してるかだら。どうすれば、
そんなふうに前向きになれる?」
ちょっとだけ黙って、実乃梨は竜児の両目を静かに見返していた。やがて唇をすぼめ、白い息をふっと
吐き出し、
「『決める』ことだよ」
にっこりと笑みを浮かべる。
「自分で進む方向を決めること。それが定まらなかったら、そもそもどっちが前なのかもわからないじゃん。
高須くんは、どこに向かってるの?行きたいところはある?それがなけりゃあ前進できないぜ」
向かっているところ。行きたいところ。
そう言われて、竜児は改めて返すべき答えがないことに気がつく。
向かっているところも、行きたいところも、自分にはわからない。そもそもそんな目的地が自分の中には
存在していないのかもしれない。どういう事柄についてにせよ、夢や希望や、そういう能動的な欲望が
あふれ出る根源みたいなものが、自分の中には存在しないのかも知れない。少なくても自分では
感知できない。
「・・・・・・櫛枝は、自分がどこに向かっているのか、わかるのか?」
「もちろん!」
迷いなく答え、実乃梨はぴょん、と竜児の背後に軽いステップで躍り出た。スカートが翻るのにも
構わず、大きな動作で、鮮やかな投球モーション。アンダースロー、髪が肩の上で跳ねる。
実乃梨の眼差しは廊下の先、見えないボールのいく先を追うみたいに遠くなる。
そんな目ができる奴が、今の竜児には、なによりも羨ましかった。
~↑↑原作文↑↑~
調子乗りすぎですね、どう考えても長すぎです・・・orz
そういえば友人が「そこはスキャナすればよくね?」って言ってたけど
それもなぁって思って今回もこんなことになってしまってるんですけどね・・・
アニメだとこの話の代わりなのか分かりませんけど、亜美との会話シーンが追加されてました。
『決める』ってことに関してはアニメと原作の違うシーンに共通する点があるのかもしれません。
まぁ断然原作厨の僕ですけどね(*^-^)v
ここで竜児が言った『忘れたいこと』ていうのが22話の最後で実乃梨が竜児に
「う、そ、つ、き、――聞こえてなかった、で、済ませる気?」
って言った後に入るんですよね、
「忘れられないのは、『それ』でしょう?」
って。原作的には素晴らしい伏線回収って感じでしたね!
アニメでは前段階から端折られてるんで仕方ないですけど(ノ_-。)
スキーの時に実乃梨がヘアピンを付けたところで竜児が部屋に帰ってしまうシーンがありましがた、
そこも少しあっさりしすぎてた感があります。短いから書いちゃうよ!!
~↓↓原作文↓↓~
実乃梨はふう、と息をつき、おもむろにポケットに手を入れ、なにか小さく光るものを取り出した。
邪魔そうにしていた前髪を上げて片手で押さえ、そしてそれを、
「・・・・・・それ。どうしたんだ」
「ん?ヘアピン?大河がくれたんだよ。なんか『宝物だから、絶対絶対大事にして』とか言って。
かわいいよね、あ、私がじゃなくてヘアピンがな」
笑って見せる実乃梨の髪に、橙色にキラキラ光る、竜児が選んだピンが輝いた。そういえばいつか
春田にあげてしまおうとして、それを大河が毟り取ったところで担任が現れて、そのままなし崩し的に
――大河が持っていたのか。
「・・・・・・はは・・・・・・」
笑って、顔を押さえた。
もういいや。
そう思った。わかってしまった。想いの残滓の塊とでもいうべきヘアピンをつけている実乃梨を見て、
歯車が完全に壊れたことを知ってしまった。
合わないモンを無理に噛ませようとしたから、、ほら見ろ――ぶっ壊れてしまった。
このままでいたい。変わりたくない。実乃梨はそう言う。みんなこのままでいられたらいいのに、
ずっとこのままがいいのに、と。
そうするためには、そんな実乃梨の歯車に合わせるには、そのヘアピンが一体どこからきた物体なのか、
隠し通して踏みつけて、事実を殺してしまわなくちゃいけないのだ。自分を殺さなくちゃいけないのだ。
竜児は心を殺さなくちゃいけないのだ。
実乃梨が繰り広げる「何事もなかったワールド」に付き合って、ふられたことなど『全然なんでもなかった』
と笑い飛ばし、もう忘れちゃったぜー、と、」実乃梨と一緒にそういう顔をし続けなくてはいけないのだ。
でも、そんなことはもうできない。
だって、竜児も、竜児の心も、生きているのだ。殺そうとすれば、血を噴くのだ。
いままでのあらゆる光景が、全部、『全然なんでもなかった』ことを証明するためだけに実乃梨が
作り出したもののように思えた。触れ合った感触も、笑い合ったくすぐったさも、すべてがだ。
今こうしてわざわざ、自分に会いに来てくれたこともだ。全部だ。
全部が、『あんなこと』なんか『全然なんでもなかった』から、成り立っている
――実乃梨が成り立たせていることなのだ。そう思えた。
「あはは・・・・・・そうか・・・・・・そう、だったんだな」
「・・・・・・どうしたの高須くん。黙っちゃって、ねえ、なに?ねえ」
「いや!もう、いいから」
顔を覆ったまま、それでも両目は開いていた。
もう、ズタボロだ。傷ついて血を流すのには、そういう欺瞞には、もう耐えられない。
実乃梨の願う「このまま」というのは、つまり、竜児が心を殺し続ける日々が続く、ということ。
竜児がそうしなければ、「このまま」は成り立たないのを十分に知っているくせに、それなのに
「このまま」をまだ願うのだ。実乃梨は。
私は傲慢でずるくて――以前、実乃梨が言ってた言葉だ。やっと意味がわかった。それはつまり、
傲慢でずるい私が好きなら、それを承知のうえで好きでいてよ、ということだったのだ。
心を殺し続けることを求めるけれど、それをわかっていてよ、と。応えることはないけれど、それでも
いいなら好きでいれば、と、
でも、どうして?
いっそのこと、「おまえなんか嫌いだから付き合う気はない」と言ってくれない?
ああ――
なるほど。傲慢でずるいからか。傷つける勇気はないというわけか。でもそれが、より一層、
深くこの傷を抉るのだけど。
「高須くん・・・・・・高須くん!どうしたの?なんかあった?・・・・・・ごめん、私なんか言っちゃった?」
顔を上げ、ないない、なにもないよ、と笑ってみせた。笑いながら、竜児はソファから立ち上がった。
後ろ向きのまま大きく二歩、実乃梨から距離を取り、「どこいくの?」と響く実乃梨の声には応えずに
踵を返した。
~↑↑原作文↑↑~
そして部屋に戻って北村たちが来るまで布団に包まって泣いていたというわけですね。
アニメでは端折られていたけど、スキーの1日目に実乃梨と竜児が一緒にスキーとかしてたんですよね、
素人の竜児に実乃梨が教える感じで。
短くねえ。とか突っ込まないでください、自分でも長くなりすぎて驚きましたヽ(´ー`)ノ
アニメの初見だと、原作で端折られてる部分が気になってばかりいるんですが、
冷静になって見てみると、端折られたとしてもけっこうな出来のアニメになってると思いました。
最後まで楽しみに視聴させていただきます(*^-^)v
本当は亜美の端折られたところもガッツリ書きたいんですが、最低でも6時には起床なので
もう寝ておきますwwwwwwwwwww
なんか色々書き忘れとか・・・ってか原作文ばっかで感想とかろくに書いて無いしwwwwwwひどいwwwwwwwwwwwwwwwwww
コメントなどいただけるようでしたらこちらへお願いします(*- -)(*_ _)ペコ
とらドラ! 16話 「踏みだす一歩」 レビュー←こんなのや
とらドラ! 19話 「聖夜祭」 レビュー←こんな記事を書いてしまうと、明日5時に起きれないので
出来るだけ上手くまとめたいとおもいます!!
長いので色付きのところだけでも0kっすw面白そうだって思ったら原作を読んでみてください♪
んで、20話の最後で大河を助けた竜児ですが、助けれた原因となったヘアピン。
それがなんなのかアニメを見てれば分かると思いますが、あれには助けた後に続きがあって・・・
~↓↓原作文↓↓~
「よかったじゃん高っちゃん!タイガ~無事でさ~!」
「・・・・・・ああ、おお・・・・・・」
隣の席から春田がかけてくれた言葉に、中途半端な笑顔で答えた。その春田の視線が、
竜児の胸ポケットで止まる。
「あれ?そのヘアピン、結局高っちゃんのとこに戻ってきたんだ?」
雪の中から拾ったそいつを無意識に胸に差したまま、、そういえば忘れていた。耳元に顔を寄せ、
春田はアホなりの小声で囁きかけてくる。
「ていうかさ~、それってぶっちゃけ、
クリスマスプレゼント・・・・・・例の、あの人に、渡そうとしてたんじゃない?
それ捨てようとしてたとき、ツリーの絵の包装紙も捨ててたじゃん。
実はちらっと見えてたけど、やっと意味わかっちゃった・・・・・・」
「・・・・・・まあな」
竜児の頭の中は、しかしいまだ嵐のただ中。
肩を竦めて肯定しながら、周囲の状況なんて全然見えてはいなかった。
考える事が多すぎたのだ。だから、気がつきやしなかった。
ちょっと離れて座っていた
『例の、あの人』は全身をレーダーみたいにして、騒々しいざわめきの中で
竜児の言葉だけを拾い、聞こうとしていたのだった。
そして、聞こえてしまった二人の会話を、すぐに正しく理解していた。
自分が意識的に、そして、本当に無意識にしていたこと、
そのすべてが、どれだけ効果的であったかも理解した。
騒々しくざわめく食堂から、音もなく立ち上がって誰にも見られず、とうとう逃げ出した。
凍える廊下を小走りに、無人のラウンジにたどり着く。昨日の夜に竜児が座っていたソファに倒れ込む。
膝を抱え、顔を埋め、その手の中に涙を流す。悲しい理由はわからない、ただ今のところただ一つ、
己の手は、女の子そのものの小さな薄い手の平は、全然好きじゃない。
こんなふうに涙にくれる顔を隠すぐらいのことしか出来ない己の手など、大嫌いだった。
実乃梨はただ一人、顔を両手で覆い隠し、声も出さずに体を小さく小さく丸めて、しばらく泣き続けた。
~↑↑原作文↑↑~
まぁそんなエピソードがあったわけなんですよねぇ、個人的に好きなシーンだったから
20話~21話で端折られてしまったのはけっこうなショックでしたよヽ(´ー`)ノ
んでこれは前座で、これの流れから21話で端折られた話もあったんです。
それが大河の帰ってきた翌日の昼休み、独身(三十路)に進路の事で呼び出された帰りの事。
・・・長いです。
~↓↓原作文↓↓~
教室へ戻るはずだった足は、人気のない渡り廊下へ向かっていた。一緒に弁当を食べているだろう
北村と大河の前に戻るには、まだ、もうちょっと休息が必要だった。二人ともいるならば、またウソを重ねなくてはいけないかもしれない。
体育館へ続く渡り廊下の真ん中で、竜児は息もできない心地、自然と外気を求めて締め切られていた
窓を開く。肺が痛くなるほどに冷え切った酸素を胸いっぱいに吸い込み、鯉のように口をぱくぱくさせる。
息を吸っても吸っても苦しくて、窓の外に顔を突き出しているのに閉じ込められているような気分だった。
あの吹雪の場面から、今日もまだ這い出す事が出来ない。
大河の告白は、忘れてしまおうと決めたはずだった。大河には告白する意思はなかったのだから、
自分が忘れる事ですべては元通りになると思ったから。
でも、忘れてしまおうと決めたって、本当に忘れることはまだできない。
上手に忘れた素振りをするのにも、もうちょっと時間が必要だ。
そして自分だけがそんなふうに「なかったはずのもの」に囚われている間にも、時は進んでしまう。
みんなは前へ進むのに、自分だけが足踏みしているのがわかる。進路のことだってそうだ。
あらゆることで、こうやって置き去りにされていく気がしていた。
こんなことでは、多分ダメなのだ。自分でもわかっている。あらゆる問題に対して場当たり的に
綻びを繕うばかりで、能動的なことは何一つしていない。正しい方を選びたいとは思う。
でもなにが正しいのかもわからない。
本当に、担任の言うとおり、頭のネジが緩んでしまったのかもしれないと思った。なにしろ己は
あの高須泰子ちゃんの息子なのだ。ネジやバネをそこらにぽろぽろ落としてしまっていても
気づかなかったのかも。
「俺は・・・・・・もしかして、ものすごく、ダメ人間か・・・・・・?」
しっかりものだと自分の事を思っていたのだが――美化されていた自己像が崩れ落ちる。
あとにはなにが残るという。本当の自分、ってどんなのだ一体。
「・・・・・・ああ~・・・・・・」
独り言の危ない魔少年が一人、窓枠にしがみついて呻いているばかりであった。しかしサッシの溝が
目に入る。埃と小さな枯葉がみっしりと詰まっていて、こんなところに顔を押し付けていたらジンマシンが
出そうな気がしてくる。ポケットからティッシュを取り出し、何気なく人差し指に巻いて、
「ああ~・・・・・・はあ~」つつ~、と姑のごとく溝をなぞる。なんて暗い奴・・・・・自覚はあるのだ。
そしてこんな自分と正反対の人物像が、くっきりと脳裏に浮かんでくる。櫛枝実乃梨だ。
出会ったばかりの頃から、明るい奴だと思っていた。ヤンキー疑惑のあった自分にも屈託のない笑顔を
向けてくれて、竜児には、それがコンプレックスだらけだった自分に比して、実乃梨はいつも正々堂々、
太陽を見上げていた。その姿がまるで、まっすぐに咲く黄金のひまわりみたいだと、いつも思ってい。
だから憧れたし、恋もした。
そして今、改めて思い知るのは、実乃梨のタフさ。明るい、優しい、かわいいばかりではない、
頑ななほどに己の道を突き進む意志の強さ。時には周囲の奴(たとえば俺だ!)を傷つけてでも、
実乃梨は自分を曲げなかったし、立ち止まりもしなかった。・・・・・・ように、竜児には見えた。
太陽に向かって生き生きと花弁を開いていたのは、お天道様を見上げて咲く健気なひまわりの花
・・・・・・なんかではなくて、太陽を撃ち落そうと狙いを定めた、鋼鉄のミサイル発射装置だったのだ。
実乃梨への片思いを自ら断ち切ったのは、そういう姿を間近で眺めて「ついていけない」と
――悪い意味ではなくて、本当に自分なんかでは彼女のタフさにも、人生を歩むスピードにも、
ついていけないと思ったから、だったのかもしれない。だが、恋心の炎は吹き消されても、
もう「いつか」なんて希望は抱けなくても、
「・・・・・・櫛枝、おまえには・・・・・・」
あんなふうになれたら、という思いは日々募る。
結局、理想であり、憧れなのだ。ああいうふうに生きられたらと思う心は変わらない。
「・・・・・・俺のことなんか、カスみたいに見えてるんだろうな・・・・・・」
「そんなことネーヨ」
「えええっ!?」
驚きのあまり、振り向く速度に身体がついていかなかった。きゅきゅ~!と上履きをアホみたいに鳴らし、
そのまま竜児は床に尻餅をつく。
「・・・・・・ど、どこから聞いてた!?」
「『櫛枝、お前はうんこたれ蔵、俺のことはカスケードだと思ってるんだろうな・・・・・・』ってところは
聞かせてもらった」
真剣なツラで眉間にかすかな皺を寄せ、勝気な瞳を黒々と光らせ、
「だから、そんなことはありませんよ、って。我々は馬ではない」
一体いつからここにいたのか。実乃梨は竜児を見下ろす姿勢でそうきっぱりと断言し、力強く頷いて
みせてくれる、が
「どういう耳してるんだよ・・・・・・!」
思わずそのまま腰も砕ける。もはや「ときめき(はぁと」なんてのんきな言葉ではもう表現できなくてとも、
心臓はどうしようもなく今日もざわめく。どうしてこんなタイミングで、よりにもよって実乃梨が現れて
しまうのだ。しかもなにを寝言を言っている。馬だのうんこだのなんの話かわからない上、
「そうは言いつつマスタングスペシャルなーのねー!んあーー!」
「落ち着け!(おまえは)危ない!落ち着くんだ!」
だだーっ!と意味不明に駆け出そうとする実乃梨の正面に躍り出て、思わず両手を広げていた。
正しく暴れ馬の前に飛び出した状況、しかし校内であんな走り方をしたら確実に事故が起きるだろう。
「えー?なぜ。止めるのよ、普通に教室に帰ろうとしただけなのに」
「建物内であんな走り方をする奴はいねえんだよ!絶対普通じゃねえ!」
思わずポロリと出た本音に「言いよった~」・・・・・・実乃梨は甲高く吟じながらその場でぐりぐり方向転換、
腕を振ってロボットダンス。竜児はちょっと言葉を見失う。最近は忘れがちであったが、そうだった、
この人はこういう人だった・・・・・・。
「なーにもーどうしたの高須くん。ほら口からエクトプラズマなんか出してないで、ユーも教室も戻ろうぜ。
そもそもこんな辺境の地でなにしてたのさ?」
「・・・・・・おまえこそ、こんなとこでなにしてんだよ。・・・・・・もしかして俺をストーキングしているのか?」
それはおどけに徹する実乃梨に少しは合わせようかと、竜児精一杯の冗談だったのだが、
「なに言ってんの」
こんなときばかり不意に正気、実乃梨は呆れたみたいに竜児を見返す。
「私は体育教官室にミーティングルームの鍵を返しにいってたところ。その帰り道。高須くんがここに
いる方がナゾだって」
「俺は、」
~↑↑原作文↑↑~
長すぎるから今更カット、こういうの全部入れてたら3クールでも終わらないって話ですよね・・・
話は大河を助けたにいったときの話に流れていきます。
~↓↓原作文↓↓~
「高須くんはよく大河が落ちているところがわかったね」
「それは――」
キラリ、あのとき光って、大河のもとに自分を導いてくれたのは。
「――ヘアピンが雪の中に落ちているのが先に見えたんだよ」
実乃梨が、窓の外から覗き込むように首を伸ばしてきた。目と目が合って、竜児は思わずそっぽを
眺める。だけど実乃梨が視線を外してくれることはなくて、
「あのヘアピンは、大河から私へのプレゼントじゃなかったんだよね。高須くんが、私にくれようとして、
渡せなくて、大河から私のところにきた。そうだよね。予想によると・・・・・・イヴに会った時、プレゼント
してくれようとしてたのかな」
唐突にど真ん中。
竜児が声を失くすのも前もってわかってたみたいに、うんうん、と実乃梨は頷いて、その無言の間隙を
埋める。正確には、イヴには持参できなかったからその予想はハズレだ。でもそう言うことはもちろん
できなかった。竜児はただ、実乃梨の顔を見返すだけだった。
やっぱり――なんだってわかっているんじゃないか。そんな感慨とともに。
「どうして・・・・・・それを」
「とある筋からの情報提供もあったのだ。ていうか、ごめん。最初は本当にわかってなかったのよ。
本当に大河からのプレゼントだと思ってたの」
なにがごめんなのか、竜児にはしばらく理解できなかった。実乃梨はしかしあくまでも真剣、
太陽をも撃ち落せるまっすぐな視線を、竜児の目から外してくれない。
「あ・・・・・・あのピンを、しばらくつけていたことを、もしかして、謝ってるのか?」
「そうだよ」
私は記憶喪失。クリスマスイヴのことなんか覚えてないの。だから高須くんも以前と変わらず
お付き合いしてよね。・・・・・・これまでずっとそんな態度を貫いて、竜児を傷つけ続けた実乃梨が
初めてイヴの夜の話をしていた。あの夜に、竜児の気持ちに向き合っていてくれていた。
「受け取らないって決めたのに、それで傷つけたのに、
あれを高須くんの前でつけてたことを謝りたかった。
ごめん。本当に」
「そんなこと・・・・・・」
竜児を傷つけたことを――あの夜に告白をさせてはくれなかったこと、でも竜児の気持ちは
理解していたこと、その上で拒んだこと、そしてそれを今も忘れていないことを認めてくれたのだった。
「・・・・・・急に、それを謝りたくなったのは、・・・・・・大河が学校に戻ってきたからか?」
竜児の言葉に、実乃梨はなにも答えなかった。ただ瞳だけを光らせて、真冬の空の下、髪を風に
散らされるのに任せていた。
実乃梨も同じだったのだろうか、と不意に竜児は思った。全力で前進しているようにしか見えなかった
実乃梨もまた、竜児と同じに、足踏みしているような感覚を味わっていたのだろうか。もしかしたら、
あのイヴの夜からずっと。
そして大河が元気に戻ってきたことで、ケリをつけようと。
竜児を振ったことを認めて、傷つけたことを謝罪して、全部わかってたことを言外に告げ――それが
実乃梨の「前進」なのか。
「あのヘアピン、今はどこにあるの?」
何気なく実乃梨が問うのに、何気なく返そうと思った。
「俺の部屋にある。使うか?」
「ううん。使わない。私はあれを、もらわない」
そう言うと思った。
――と言って、笑ってみせたかった。
ケリをつけた実乃梨に、俺だってケリをつけたんだ、と言いたかった。しかし、
「俺は・・・・・・」
息が漏れる。
「・・・・・・お前が、羨ましい」
偉大なるステップは、いまだ踏み出せない。実乃梨のように前進したかった。だけどまだできない、
そんなに上手には歩けない。吹雪の中から這い出せない。
あの声を本当に忘れることができない限り、竜児はまだ、前へは進めない。
「どしたの。なに、いきなり」
「色々な事に囚われて・・・・・・俺は、置いてけぼりだ。忘れたいことがあって、でも、忘れられない。
それで・・・・・・」
擦った目蓋の裏には、今もあの吹雪が。舞い狂う氷の切片と、その中で弱弱しく閉じられていた目蓋、
睫毛の下から零れた涙が。そして、
「・・・・・・くるしくてたまんねえ」
耳元に響いた声が。
一人で生きる、想いは永遠に封じる、そう決めた底なしの孤独の中で、大河がもらしたただ一度の
本音だったのだと思う。残響は胸の奥に、頭の芯に、今も鳴り止む事はないのだ。。
「忘れたいのに忘れられないのはね、」
ぽくっ、と実乃梨の拳が、ちょっと荒っぽく伏せた竜児のツラの頬を真横からつつく。
「忘れたい、って思ってる時点で、すでに忘れられないことなんだから当たり前なんだよ。
忘れてしまえるようなことだったら、人間そもそも覚えてねえ、っつーね、
忘れられないから忘れたいんだよ。それを苦しんだってしょうがないって思う」
「・・・・・・でも。忘れないと、いけねえんだ。
・・・・・・忘れて欲しいって、思われてる」
実乃梨の指を押し返すみたいに、顔を向けた。実乃梨は「なにが」とも「誰が」とも尋ねず、
ただ竜児が一人語りに語るのを聞いていてくれた。
「だから、忘れたいんだ」
語った言葉は、完全に正確とは言いがたいかもしれない。大河は「忘れて欲しい」と思っているわけでは
ないのだ。最初から「伝える気がない」のだ。想いを告げることもなく、永遠に封じ込めて、それでいいと
思っているのだ。
だから――だから。だから、忘れようと――
「・・・・・・俺はおまえが羨ましいと思うのは、前向きだからだ。ちゃんと前進してるかだら。どうすれば、
そんなふうに前向きになれる?」
ちょっとだけ黙って、実乃梨は竜児の両目を静かに見返していた。やがて唇をすぼめ、白い息をふっと
吐き出し、
「『決める』ことだよ」
にっこりと笑みを浮かべる。
「自分で進む方向を決めること。それが定まらなかったら、そもそもどっちが前なのかもわからないじゃん。
高須くんは、どこに向かってるの?行きたいところはある?それがなけりゃあ前進できないぜ」
向かっているところ。行きたいところ。
そう言われて、竜児は改めて返すべき答えがないことに気がつく。
向かっているところも、行きたいところも、自分にはわからない。そもそもそんな目的地が自分の中には
存在していないのかもしれない。どういう事柄についてにせよ、夢や希望や、そういう能動的な欲望が
あふれ出る根源みたいなものが、自分の中には存在しないのかも知れない。少なくても自分では
感知できない。
「・・・・・・櫛枝は、自分がどこに向かっているのか、わかるのか?」
「もちろん!」
迷いなく答え、実乃梨はぴょん、と竜児の背後に軽いステップで躍り出た。スカートが翻るのにも
構わず、大きな動作で、鮮やかな投球モーション。アンダースロー、髪が肩の上で跳ねる。
実乃梨の眼差しは廊下の先、見えないボールのいく先を追うみたいに遠くなる。
そんな目ができる奴が、今の竜児には、なによりも羨ましかった。
~↑↑原作文↑↑~
調子乗りすぎですね、どう考えても長すぎです・・・orz
そういえば友人が「そこはスキャナすればよくね?」って言ってたけど
それもなぁって思って今回もこんなことになってしまってるんですけどね・・・
アニメだとこの話の代わりなのか分かりませんけど、亜美との会話シーンが追加されてました。
『決める』ってことに関してはアニメと原作の違うシーンに共通する点があるのかもしれません。
まぁ断然原作厨の僕ですけどね(*^-^)v
ここで竜児が言った『忘れたいこと』ていうのが22話の最後で実乃梨が竜児に
「う、そ、つ、き、――聞こえてなかった、で、済ませる気?」
って言った後に入るんですよね、
「忘れられないのは、『それ』でしょう?」
って。原作的には素晴らしい伏線回収って感じでしたね!
アニメでは前段階から端折られてるんで仕方ないですけど(ノ_-。)
スキーの時に実乃梨がヘアピンを付けたところで竜児が部屋に帰ってしまうシーンがありましがた、
そこも少しあっさりしすぎてた感があります。短いから書いちゃうよ!!
~↓↓原作文↓↓~
実乃梨はふう、と息をつき、おもむろにポケットに手を入れ、なにか小さく光るものを取り出した。
邪魔そうにしていた前髪を上げて片手で押さえ、そしてそれを、
「・・・・・・それ。どうしたんだ」
「ん?ヘアピン?大河がくれたんだよ。なんか『宝物だから、絶対絶対大事にして』とか言って。
かわいいよね、あ、私がじゃなくてヘアピンがな」
笑って見せる実乃梨の髪に、橙色にキラキラ光る、竜児が選んだピンが輝いた。そういえばいつか
春田にあげてしまおうとして、それを大河が毟り取ったところで担任が現れて、そのままなし崩し的に
――大河が持っていたのか。
「・・・・・・はは・・・・・・」
笑って、顔を押さえた。
もういいや。
そう思った。わかってしまった。想いの残滓の塊とでもいうべきヘアピンをつけている実乃梨を見て、
歯車が完全に壊れたことを知ってしまった。
合わないモンを無理に噛ませようとしたから、、ほら見ろ――ぶっ壊れてしまった。
このままでいたい。変わりたくない。実乃梨はそう言う。みんなこのままでいられたらいいのに、
ずっとこのままがいいのに、と。
そうするためには、そんな実乃梨の歯車に合わせるには、そのヘアピンが一体どこからきた物体なのか、
隠し通して踏みつけて、事実を殺してしまわなくちゃいけないのだ。自分を殺さなくちゃいけないのだ。
竜児は心を殺さなくちゃいけないのだ。
実乃梨が繰り広げる「何事もなかったワールド」に付き合って、ふられたことなど『全然なんでもなかった』
と笑い飛ばし、もう忘れちゃったぜー、と、」実乃梨と一緒にそういう顔をし続けなくてはいけないのだ。
でも、そんなことはもうできない。
だって、竜児も、竜児の心も、生きているのだ。殺そうとすれば、血を噴くのだ。
いままでのあらゆる光景が、全部、『全然なんでもなかった』ことを証明するためだけに実乃梨が
作り出したもののように思えた。触れ合った感触も、笑い合ったくすぐったさも、すべてがだ。
今こうしてわざわざ、自分に会いに来てくれたこともだ。全部だ。
全部が、『あんなこと』なんか『全然なんでもなかった』から、成り立っている
――実乃梨が成り立たせていることなのだ。そう思えた。
「あはは・・・・・・そうか・・・・・・そう、だったんだな」
「・・・・・・どうしたの高須くん。黙っちゃって、ねえ、なに?ねえ」
「いや!もう、いいから」
顔を覆ったまま、それでも両目は開いていた。
もう、ズタボロだ。傷ついて血を流すのには、そういう欺瞞には、もう耐えられない。
実乃梨の願う「このまま」というのは、つまり、竜児が心を殺し続ける日々が続く、ということ。
竜児がそうしなければ、「このまま」は成り立たないのを十分に知っているくせに、それなのに
「このまま」をまだ願うのだ。実乃梨は。
私は傲慢でずるくて――以前、実乃梨が言ってた言葉だ。やっと意味がわかった。それはつまり、
傲慢でずるい私が好きなら、それを承知のうえで好きでいてよ、ということだったのだ。
心を殺し続けることを求めるけれど、それをわかっていてよ、と。応えることはないけれど、それでも
いいなら好きでいれば、と、
でも、どうして?
いっそのこと、「おまえなんか嫌いだから付き合う気はない」と言ってくれない?
ああ――
なるほど。傲慢でずるいからか。傷つける勇気はないというわけか。でもそれが、より一層、
深くこの傷を抉るのだけど。
「高須くん・・・・・・高須くん!どうしたの?なんかあった?・・・・・・ごめん、私なんか言っちゃった?」
顔を上げ、ないない、なにもないよ、と笑ってみせた。笑いながら、竜児はソファから立ち上がった。
後ろ向きのまま大きく二歩、実乃梨から距離を取り、「どこいくの?」と響く実乃梨の声には応えずに
踵を返した。
~↑↑原作文↑↑~
そして部屋に戻って北村たちが来るまで布団に包まって泣いていたというわけですね。
アニメでは端折られていたけど、スキーの1日目に実乃梨と竜児が一緒にスキーとかしてたんですよね、
素人の竜児に実乃梨が教える感じで。
短くねえ。とか突っ込まないでください、自分でも長くなりすぎて驚きましたヽ(´ー`)ノ
アニメの初見だと、原作で端折られてる部分が気になってばかりいるんですが、
冷静になって見てみると、端折られたとしてもけっこうな出来のアニメになってると思いました。
最後まで楽しみに視聴させていただきます(*^-^)v
本当は亜美の端折られたところもガッツリ書きたいんですが、最低でも6時には起床なので
もう寝ておきますwwwwwwwwwww
なんか色々書き忘れとか・・・ってか原作文ばっかで感想とかろくに書いて無いしwwwwwwひどいwwwwwwwwwwwwwwwwww
コメントなどいただけるようでしたらこちらへお願いします(*- -)(*_ _)ペコ
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